バッテリー切れでも聴く理由


ディスコミュニケーション世代のバッテリーレスリスニング

うちのiPodは初代5G(2台あるよ)なんですが、バッテリーの残量表示があと2目盛りくらいってなところでバッテリー切れになっちゃいます。もーバッテリーが老朽化してるんだろーな。(判ってると思いますが交換できません)

で、殆ど全ての外出時においてiPodがお伴な今日この頃のシチュエーションなわけですが、殆ど毎週くらいに唐突にバッテリー切れに遭遇しちゃうわけです、はい。判ってるんだけど、ボタンとか押してみて、バッテリー切れのアイコンを数回再確認して、あ、はいはいてな感じで納得するわけね。で、その後ですが、自分の場合、iPodをしまい...ません。耳にイヤホンもつけたまま過ごします。AUTECHREとか聴いてると無音や街の雑踏もリズムやオンガクに聴こえてきて、それを楽しめるよーーになっちゃうってのもありますが(あるんだ、これが)、何より重要なのがコミュニケーションを拒否できるってーとこにあります。イマドキの街はこちらの都合や状況を全く考慮せずにコミュニケーションを迫ってくるシチュエーションに満ちあふれています。それらの一方的なコミュニケーションに対してこのバッテリー切れのiPodはこちらがackを返さないノーレスポンスを正当化してくれちゃうってなわけです。素敵。これで外界と遮断されつつ街を歩くとゆー、ネットやコンピュータの中と同じよーなオンデマンドで希薄で自己中心なリアルワールドをゲットてな寸法です。

街に音楽を連れ出すツールといえばご先祖様はソニーのWALKMANですが、初代WALKMANてばイヤホンの差し込み口が2つあったわけで、これはつまりコミュニケーションのツールとして考えられていたわけですが、パーソナルコンピュータの拡張子として誕生したiPodは当然イヤホンの差し込み口も1つなわけで、つまりはコミュニケーション拒否のためのツールだったわけですね。(ホントかよ)

街でiPodと一緒に歩いている人を見かけるのも珍しくなくなりましたが、そんな人たちにも自分同様、バッテリーが切れたままフィルタリングされたよーな雑踏の音だけを聴いて歩いている人がいるのかもしれません。





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Posted: 日 - 7月 18, 2004 at 11:28 午後      


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